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対談シリーズ K-1戦士 キックボクサー 小比類巻貴之さん

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小比類巻選手は、身体能力、実力ともにK-1ミドル級NO1と謳われ、ファンの期待を一身に集めながらも陰では様々なアクシデントに苦しみ、なぜか大切な試合ではその力を充分に発揮することが出来ずに、厳しいマスコミ批判を浴びてしまいます。

誰よりも苦しいのは本人のはずですが、自分の口から愚痴などのネガティブな言葉など一言も発すること無く、あえて全ての批判をグッと腹に収めて、次の試合に向けてすべてを懸ける小比類巻選手は本物のプロフェッショナルアスリートです。応援します!


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鈴木:...どうも久しぶりです。5月の終わりに合宿先の大阪からメールをいただいて、それ以来ぶりですね。

小比類巻:ご無沙汰してます。秋の大会前なので、また体の調整が必要だなと思って。

鈴木:そうですね、体の調整は必要ですね。これはいつも思うことなのですが、小比類巻さんはここ一番の前に怪我やアクシデントが結構多いですね。僕はそれには理由があると思うんです。トップアスリートの方達は、どの分野であれスキルの高低はそんなにないと思います。その瞬間にすべてを出し切ることの出来た人に勝利の女神が微笑むと思うのです。そこには運動生理学的なコンディショニングやキーピングなどとは別の次元で、「オフタイム」の過ごし方に鍵があるように思います。オンタイムとオフタイムの差がなければない方がベストのように思います。もちろん物理的な練習量の多い少ないなどとはまったく違いますが、がんばらない、ということかな、わかりやすく言うと。常に淡々としている、平常心とでも言うのでしょうか。何の世界でも達成した人は人間自体が整ってくる、いるだけで雰囲気が違うんです。これは世間からその分野では一流と呼ばれている多くのクライアントの方々から学ばせていただいた事です。表も無ければ裏も無い、アップダウンのダウンが無い。その人の持っている常に最高に近いレベルで日々生活なされているんじゃないかなと思います。
前回いらした時も思ったのですが、小比類巻さんは普段の姿勢があまりよくないんです。悪い姿勢は呼吸を浅くし、全身の血流にも影響します。きっと戦っている時は素晴らしい姿勢だと思うのですが、例えば1日の半分をいい姿勢で、半分を悪い姿勢で過ごしたとします。人間の細胞は3日で60%が入れ替わって行くので、いい姿勢時に入れ替わる細胞は十全に入れ替わりますが、悪い姿勢時の細胞はその悪い影響を受けながら入れ替わります、例えばですよ。だからオンとオフの差が無くなると、出来上がってくる細胞も均一化されてくる、例えばですよ。
小比類巻さんが持っている潜在能力、というかそのポテンシャルはとても高い。でも本番に力を出し切れていない。練習時の動きがそのまま出来れば誰よりも強い、と多くの関係者が言っています。私も体の矯正をしていて素晴らしい身体能力だと思いますし、だからこそよけいにもったいなく思います。緊張感を長く持続させる事は無理ですよね。限界があります。だから緊張しない100%という状態が必要なんだと思います。ある意味「境地」というか。小比類巻さんにもぜひそういう「何者にもとらわれない淡々とした強さ」を目指してほしいと思います。飄々と勝っていってほしいですね。

小比類巻:昨年の夏から世界大会が終わるまで自分なりに同じペースを、かなりクオリティーの高い感じで保って来たんですよ。で、世界大会の前にちょっと疲れた事があったんです。だから今回試合が終わったらのんびりしたいなぁって思っているんですよね。昨年の10月、今年の2月、5月の大会と、ずっと高い状態を維持して、試合が終わったあとも普通に練習が出来ていたんです。でも7月の試合に向けて合宿に入った時に、あまりに調子が良かったものでスパーリングを早めにやってしまったのが、今回結果を出せなかった原因だと思います。スパーリングをやらなきゃいけない期間っていうのが、一般的に試合の1ヶ月前ぐらいからで、ゆっくりと体を慣らしていくんですが、今回はまだトレーナーがいない時から少し前だおししてスパーリングを始めてしまったんですよ。その時にちょっと無理してしまって。今回はそのトレーニングの順序を間違えちゃったかな、と感じています。プロフェッショナルとして単純なミスですね。
7月の世界大会の1週間前ぐらいにすごく疲れたんです。それが、なんでなんだろう、と思って...。暑くてばてた、というのもあるんですけど、精神的に。
あと、姿勢のことなんですけど、確かに姿勢が良くないときれいな動きができないですね。やっぱり自分自身の練習がいい状態で進んでいるときって、姿勢がいいんです。うまく行ってるときは普通に歩いているときも姿勢がいい。今みたいに試合が終わって、一段落つこう、というような気の抜けた時に姿勢がくずれてくるように感じますね。やっぱり先生がおっしゃるように常に一定の状態に保てた方がいいですよね。

鈴木:そうです。それが苦ではなくなると思うんです。頑張ってそういう状態にするんではなくて、自然と姿勢が決まってくるのがいいですね。

小比類巻:去年はずっとそういう感じだったんですよね。本当に調子が良かったし、気持ちよかった。

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