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対談シリーズ マタニビクス 田中康弘先生

鈴木:では次に、先生が推奨されているマタニティビクスのことについて伺います。
私は「人間は動物。動く物である。きちんと動く事によって万事うまく行くように設計されている」と考えます。動かなかったり、動きすぎたり、偏った運動ばかりしたりすると壊れてしまいます。私の仕事場にも妊娠中で腰の痛い方、出産後に体調の悪い方など多く通院されるのですが、やはり「動かない」ことで体調を悪くしている方が多くみられます。
先生がマタニティビクスを始めよう、と思われたきっかけは、やはりご自身が運動を通じて健康を体感されていた事が大きいのでしょうか?

田中:僕は学生の頃、山登りをしていましたが、医者になってからはなかなか泊まり込みで山へ行く時間がとれない。そこで始めたのがスキーでした。スキーに行く前に足腰を悪くしたらいけないからトレーニングをしようと思い、ランニングを始めました。ランニングをするととても体調が良く、気持ちがいい。自分の体が「走る事(運動すること)で体調が整っている」ということを実感しました。
その頃、自宅の近くの小学校にトリムクラブ、という体操クラブができ、僕もスタッフとして医師の仕事の傍ら、主婦のみなさんに体操を教えるようになりました。そのなかでふと、「肥満妊婦さんも運動をしたらいいんじゃないか」と考え始めたのです。
そして昭和56年、自分の病院にスタジオを建て、信念を実践したのです。最初の頃は僕が運動しなさい、というと「とんでもない医者だ!」と、病院へ来なくなった妊婦さんもいました。それでも"運動をしたほうがいい"という理念を伝え続けることで、最初は怖がっていた妊婦さんたちも半年、一年と経つうちに、その考えを実践してもらえるようになりました。同時に、僕は運動する妊婦さん達のデータを集め、毎年学会へ報告していき、僕の信念である運動療法は一般に認知され、さらに年月を経て浸透していくようになりました。

始めた時期も良かったのです。当時、エアロビクスが日本に入って来た時期でした。
エアロビクスは完全に「個人」の体操です。人と何かを競うのではなく、自分のペースで自分の躯を知りながらコンディションを整えられる。それを体験して、すぐに病院のスタジオをエアロビスタジオに切り替えたのです。「これなら妊婦さんにも、その人の個性や体力にあわせた体操をやってもらえる!」と、すぐにスタートさせた。
マタニビクスの誕生です。その当時「エアロビクスならば、一時の流行ではなく、長く親しまれるに違いない」と思い取り入れ、実際もう30年近く、愛され、親しまれる存在となりました。当時は「妊婦は安静に」というのが定説でしたが、マタニティビクスを取り入れるなどして、運動をするのが通説になってきたのも、こうした年月をかけた妊婦さんたちの声が大きかったのではないでしょうか。

鈴木:マタニティビクスを行なう事で、母親にどのような影響があるのでしょう?

田中:現代の私たちの生活に特に欠落しているのは体力。以前と比べて体を動かさなくなったことが一番の変化です。体を動かす事で、血液の循環がよくなり、卵巣機能も良くなる。不妊症にも効果的で、肥満になりにくく、妊娠中毒症も減る。さらに病気にもかかりにくくなる。有酸素運動の利点というのは、普通の人と同様に妊婦にも応用できるというデータが出ています。妊娠をすると中性脂肪やコレステロールも増えます。ここできちんと運動をしておかないと、血圧があがってしまったり産道が狭くなったり、胎盤機能が悪くなるなどして、中毒症が増える結果となる。きちんと筋肉がついていればいい陣痛がくるし、いきみが上手になり、筋肉が伸びるため産道も開きやすくなる。高齢になる程、運動をする事でのメリットは大きくなります。

鈴木:妊娠中の食事制限についてはどのようにお考えですか?

田中:人間の本能に従って考えれば、妊婦さんはどんどん食べたいものを食べてかまわない。しかし絶対的な運動量が減ってしまっているその時期、食べただけでは肥満妊婦が増えてしまう。するとお医者さんは「甘いものを控えて、油っこいものはやめて」と、してはいけない事を増やしてしまいます。これは妊婦さんにとってストレスですよね。僕は「食べたいだけ食べて、その分運動をしなさい」といいます。それによって安産傾向になるのです。出血も少なくなり、赤ちゃんも元気に生まれてきます。

体を動かす事は本当に大切なのです。健常者は医療施設に近寄らないでしょう。そのため、医者が健康な人の体調を知る事はなかった。でも「健康なのに病院に訪れる人たち」がいます。それが妊婦さんなのです。妊婦さんに対して運動が必要だ、というのはつまり、健康な人たちにも運動は必要ということです。それを始めたのがおよそ30年前。そして、現在健康な人の運動はどんどん広まっています。そういう意味では「健常者の運動が大切」というのも自分が始めた、と言えるかもしれません。運動は妊娠中だけでなく、出産後も中年、更年期もすべて必要だと考えます。

鈴木:お腹の中の赤ちゃんに対する、マタニティビクスの効果を伺えますか。

田中:最近では健康な赤ちゃんの為にもお母さんの運動は大切ではないか、という研究も進んでいます。お母さんの運動は、胎児の運動神経や体力にも役立つのではないか、というデータ集めが進んでいます。まだ結論はでていませんが、僕は「赤ちゃんに効果的!」ということは、「絶対にお母さんにもいいはず」という信念も持ってやっています。
マタニティビクスを始めてから5年後ぐらいに、超音波診療の発達によって胎児の状況がわかるようになり、早産や流産の原因が運動ではないことがわかり始めました。(初期の流産はもともと育たなかった胎児がそうなるのであって、8ヶ月、9ヶ月の早産に関しても、感染によって起こることが明らかになり、流早産の原因が運動である、ということでないことが現在の研究ではわかっている。)「妊婦の運動がいい」という僕の信念に証拠が後からついてきた感じです。
現在、東京女子医大の小西先生(乳児行動発達学教授)と組み、お腹にいるときの胎児の行動と、出産してからの子供の行動の共同研究をしています。お腹の中から胎児は様々な発達をしている、お腹の中でも自分の意志に基き、行動しているのではないか?など考察しています。こうした研究を通じ、運動したほうがよくなる、という研究結果がいづれ実証されることを楽しみにしています。

鈴木:本当ですね。そう考えると赤ちゃんが体内にいるときの環境、「体内環境」というものが非常に大切になってきますね。

田中:その通りです。胎児がお腹の中にいる時に、母親がどのような生活を送るかというのは、一生に大きく影響すると思います。